カナの部屋から何人かのキャッキャとはしゃぐ声が聞こえてくる。
友達とバカ話でもしてるんだろう。
何がそんなに楽しいのか俺には理解出来ない。
明るく元気な
カナの周りにはいつも友人がいた。
異性にもそこそこモテているようで学園生活を大いに満喫している。
友達も彼女もいない俺にとってはそれすらも嫉妬の対象だ。
先程トイレに立った時、
何気なく聞こえてきたお喋りは俺を更に苛つかせた。
「え〜
カナのお兄さんってどんな感じなの〜?一回見てみたい〜」
「無理、無理、無理!!マジキモいから!
なんてゆ〜か、オタク的な?いっつも部屋に閉じこもってて気味悪い!」
「
カナ言い過ぎ〜ウケるんだけど〜」
「そうかな〜?だってほんとの事だし。
あ〜イケメンのお兄ちゃんだったら良かったなぁ〜」
そう言って友達とまたクスクス笑い合った。
俺は今すぐドアを蹴破り怒鳴り散らしたい衝動を抑え、トイレへと向かった。
今に見てろよ...その笑い声、すぐに悲鳴に変えてやる...
自分の部屋へ戻り時間を潰している内に
いつの間にか俺は物思いに耽っていた。
カナが俺を嫌い出したのはいつの頃からだろうか?
カナが小学生ぐらいの時まではまだ仲が良かった気がする。
喧嘩らしい喧嘩もせずよく一緒に遊んでいた。
ままごとや人形遊びにも付き合っていたし、お風呂も一緒に入っていた。
お兄ちゃん、お兄ちゃんと頼ってくる
カナを鬱陶しくも、
しかし、同時に嬉しくも感じていた。
小学校を卒業した辺りから
カナの態度は急によそよそしくなった。
次第に会話が減り、いつしか俺に暴言を吐く様になっていった。
女が成長するとはそういう事なのかもしれない...
そう割り切って俺自身もカナとちょっとずつ距離を置き出した。
兄妹でいつまでも仲の良い状態というのも少ないだろう。
今となっては
カナは俺を頼る事を一切しなくなった。
手を繋ぎ、はしゃいでいた二人はもはや過去のものだ。
最近の
カナはドンドン可愛くなってきている。
全くと言っていい程、俺とは似ず、
アイドルグループに居てもおかしくないような愛らしい顔をしている。
体つきはまだ幼いものの、白く柔らかそうな肌やスラリと伸びた足、
肉付きのいい太腿からは十分に「女」を感じさせる。
生意気にもメイクを覚え、服装は露出の高いものが増えてきた。
(彼氏でも出来たのか?)
そう考えるとえもいわれぬ憎悪と嫉妬がムクムクと顔をもたげてくる。
毎日、毎日友達と楽しく遊び、休日には彼氏とイチャイチャか?
一方、同級生からは蔑まれ、親からは疎まれ、
休日はせいぜいパソコンをいじる事が唯一の楽しみな俺。
同じ人間から生まれたというのになんなんだこの不公平は。
ドクン...
ドクン...
自分でも恐ろしくなる程の、憤怒と悪意の塊が体中を蠢き、
やがて下腹部へと集中していくのが分かる。
(お兄ちゃん〜)
ふいにカナがまだ俺を慕っていたあの頃の姿が脳裏に浮かんだ。
俺の腕にしがみつき「
カナね、お兄ちゃんとずっと一緒にいる〜」
弾けるような笑顔と共にそう言っていたあの頃を。
(あぁ、そうだ...これからはずっと一緒だ...
永遠に俺の奴隷としてな...クククッ...!)
「じゃあ、またね〜」
階下で響いた
カナの声で、俺は回想の世界から現実の世界へと引き戻された。
トン、トン、トン、トン........ガチャ。
軽快に階段を昇り自室へと
カナが戻った事を確認すると、
俺は性奴隷化計画を実行する為、静かに立ち上がり呟いた。
「さぁ、実験の始まりだ」
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