麻衣は驚く程、素直に口付けを受け入れた。
弱った心に付け入るようで
藤堂は何だか気が引けたが、今後の調教をスムーズに進める為に必要な通過儀礼だと割り切った。
ソフトなキスを何度も繰り返し、
麻衣に心の準備をする為の時間を与える。
同時に
麻衣に気付かれぬよう、純白のドレスを脱がしにかかる。
次第にキスに夢中になっていく
麻衣を腕の中で感じながら、しかし、
藤堂の心は凍てつく氷の様に冷静であった。
これは情報収集の役割も兼ねる。
ただ単に
麻衣に女の喜びを教える為だけのものではない。
今後の調教カリキュラムの方向性までもが左右されるのだ。
心の癖はそのまま体の癖にも反映される。
(心の性質を見抜き、看破する事は100回のセックスに相当する...)
それが
藤堂の持論でもあった。
麻衣の反応をつぶさに観察する。
今のキスのやり取りだけでも分かった事がいくつかある。
麻衣は比較的、普通の感覚・感性を持った女性だ。
ある程度の高い順応性と柔軟性を持ち、素直な性格。
だがその分、自我や自己主張といったものが少なく、周囲に流されやすい。
臆病であり、寂しがり屋な一面も持っているだろう。
羞恥心もそれなりに高いが上手く利用すれば色んな
麻衣が引き出せる。
(これからの調教次第...と言った所か...)
ある程度の収集を済ませると、
藤堂は思考を切り替えた。
キスをしながら手際良く脱がせたドレスをベッドの脇にそっと置く。
「えっ........あっ......恥ずかしいっ......」
麻衣は今気付いたとばかりに露わになった下着を腕で隠す。
麻衣一人に恥ずかしい思いはさせないとばかりに
藤堂は上半身の衣服を脱ぎ捨てる。
華奢に見えたその身体は、しかし服を脱ぐと意外に筋肉質であった。
異性のたくましい肉体にドキリとした
麻衣は顔を赤らめ目を逸らした。
その反応を良好と受け取った
藤堂は、
「私にお任せ下さい。
麻衣様はただ感じるままにいてくだされば...」
そう言って
麻衣の体に覆い被さった。
「はっ......んッ———.....んっ.......んんっ」
麻衣の思考を奪い取るかのようにさっきまでとは打って変わって激しいキス。
呼吸が出来ない程、強く唇を押し付け、熱い吐息を吹き込んでいく。
更に上と下の唇を甘噛みするようにキスを重ねる。
絡み合うような口付けは互いの唇に熱を帯びさせ、それは全身に波紋のように広がっていく。
藤堂は
麻衣の背中に手を回すと、プチッとブラのホックを外した。
「
麻衣様、腕をお上げ下さい」
命じられるまま腕を上げる
麻衣。
そのまま体からブラジャーを抜き取る。
身を隠す物を失った
麻衣は体を抱いて更に顔を赤くした。
麻衣の白い肌は赤に染まると余計に際立つ。
恥ずかしいという感情を絶対に人に隠せない身体を生まれ持っているのだ。
「照れている
麻衣様も可愛いですよ...」
耳まで赤くした
麻衣が拗ねたように横を向いた。
本当に怒っている訳ではない。
僅かに強張った顔。
麻衣の羞恥と緊張が伝わってくるような表情だ。
固く閉じた貝殻を開くように胸を隠す腕を解いていく。
白丘の膨らみの上に咲く可憐なピンクの頂き。
その丘を包み込む様に柔らかく掌を添える。
フニュリとした柔らかい感触。
手に吸い付くようなきめ細やかな素肌。
心臓の鼓動が早鐘のように打っていた。
麻衣の緊張を解く為、もう一度口付けを交わす。
と同時に添えた掌も動かしていく。
驚かせない様にゆっくりと優しく。
胸の膨らみを震わせるように揉み始める。
ピンクの蕾には直接触れず、掌の中心にたまに触れる程度。
「.....ふっ———......んんっ......あぁっ!」
艶と熱の入り混じった声を
麻衣が漏らした。
胸への微弱な愛撫でも充分に感じ始めている証拠だった。
丁寧に扱いながらもその愛撫は徐々に妖しく、激しくなっていく。
まるで快感の階段を一段、また一段と昇らせるかの様に。
その手の動きは円を描くように
麻衣の胸を撫でていく。
螺旋状の動きは次第に上へ上へと進んでいくが、
しかし遅々として進まず、焦らし、期待感を煽るようだった。
自身の胸を這い回る手の動きは
麻衣も分かっている。
その手が昇ってゆけば何処に辿り着くのかも...
ピンクの蕾が待ち焦がれるようにピンと張り詰め震えていた。
「.....あの.....
藤堂さん......」
未だ赤い顔のまま、
麻衣がおずおずと口を開く。
「なんですか?
麻衣様」
ニッコリと柔和に微笑み、
麻衣の言葉を待つ。
麻衣が何を言いたいのか藤堂には分かっている。
恐らく我慢出来なくなり始めているのだろう。
だが、
藤堂はあえて聞き返す。
快感を得ているという事を
麻衣に実感させる為だ。
麻衣はしばらく口をパクパクさせた後、
「..........なんでも.....ないですっ.....」
と言って口を閉じた。
藤堂はそれ以上問いただす事はせず、再び愛撫を開始する。
唇を奪い、激しい口淫を交わしていく。
手の動きは相変わらずゆっくりと、だが妖しい激しさを持って愛撫していく。
「んっ......ちゅっ.......うぅんっ.......あっ!.........あぁ!!」
体の上と下で熱量の異なる責めの数々。
麻衣は快楽の渦に否応なしに呑み込まれてゆくのだった。
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