「......っん」
キスをした瞬間、
麻衣の身体からフッと力が抜けたのが分かった。
そのタイミングを逃さず、
藤堂は
麻衣の柔らかな太腿の隙間に手を差し込む。
途中、手の平にジャリっとした感触が残る。
未成熟な身体の割に恥毛は生え揃っているという印象だった。
「んんっ!」
股間に手を入れられた
麻衣が呻き声を上げ、それ以上進ませまいと足に力を込めた。
大事な場所を異性に触られる恥ずかしさ、というよりも、
チュ......クチュ......
”アソコを濡らしている”という事の方に羞恥を感じているのだろう。
恥丘全体を包み込むようにして触れると、一瞬で掌が女蜜まみれになった。
藤堂はいきなり陰核を責めるような事はせず、まずは解すように恥丘全体に微弱な振動を与えていく。
「あっ......あっ.....んんっ......やぁ.....だめ......あぁ......」
ある程度身体が温まり、敏感になっていればこの程度の刺激でも十分に快感を得る事が出来る筈だ。
しばらく繰り返すと、徐々に身体から力が抜け、足が開いていった。
その事に本人は気付いていない様子。
心よりも先に、身体が快感を受け入れ始めていた。
後は......
(変化、だな......)
同じ様なパターンの刺激では、どんなに気持ちの良い箇所だろうといずれ慣れるもの。
向こうが慣れて冷静になる前にこちらから動いて相手を動かしていく。
その感情と、快感を......
藤堂は小刻みに動かしていた手を、一転大きな円を描くような動きに変える。
恥丘を掌で鷲掴みにするような形で。
さっきのような微弱なものではなく、少し乱暴に。
「あっ、え......?......んんんっ......いやっ、あぁぁんっ!」
急な変化に当然
麻衣は付いていけない。
藤堂は掌を動かしながら、
麻衣の顔と反応をつぶさに観察していた。
頬は上気し、口は開いている。
漏れている声は甘い女のそれ。
乳首はツンと尖り、白い肌の表面にはうっすらと汗が浮かんでいる。
麻衣の性感が高まっているのは間違いなかった。
藤堂が観察しているのは快感への没頭具合。
女性を感じさせるには”快感の階段を昇っていく意識を阻害しない事”、これに尽きる。
しばし、大きな円を描いていた
藤堂は、そのスピードをゆっくりなものに変えていく。
「あうっ......あぁ......んっ......あっ......」
僅かに落ち着きを見せる
麻衣。
まだ激しい快感には心と身体がついてこないのかもしれない。
緩急を付けて、少しずつ階段を昇ってもらう。
この辺りはマラソンランナーの駆け引きと似ているかもしれない。
マラソンを最初から全力疾走するバカはいないように、そこには必ずスピードの駆け引きが存在する筈だ。
また、ゆっくり昇れば昇る程、焦らされれば焦らされる程、達した時の爆発力は大きくなるというもの。
あとは、バランス。
言葉はその為のアクセントとして使う。
ゆえに、”聞いてはいけない”
「
麻衣様のアソコ......イヤらしく濡れてますよ......」
「えっ、あっ......いやぁっ」
ここでは調教をやりやすくする為、羞恥を煽る言葉を投げかける。
もし、疑問の言葉を投げるならば感情を煽る言葉を選ぶべきだ。
『俺のテクニックどう?』などという言葉は相手を冷静にさせるばかりか、興醒めさせてしまう。
「恥ずかしいっ......もっ、やだっ......」
羞恥を感じさせた後は、強めの刺激を与えていく。
掌全体で陰核を優しく圧し潰し、小型の円を描いていく。
「——ひっ!?あひっぃぃぃぃんっ!!......あぅッ!あッ!あッ!あッ!」
もう一度快感に没頭してもらう。
羞恥で一度火照った身体には丁度いい刺激だろう。
緩急で揺さぶられた意識は何も考えられなくなっていく。
快感以外の事は何も......
「んあっ!......なんっでっ、こんなにっ......あぁぁぁあっ!だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
(......ん?......このままいった方がいいか?)
少し昇り方が早い気がしたが、当初の目的は十分に果たせたように思う。
藤堂は
麻衣の急激な変化を見て、この後に考えていた、いくつかのプランを切り捨てた。
そして、一気に昇らせる為、指先で陰核を左右に擦り上げる。
「——ヒッィィィィィィッ!?!?ソコ!だめぇぇぇっ!!だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
「
麻衣様。どうぞ私の指でイッて下さい......」
激しく
麻衣の身体が上下に揺れ動く。
手足の指が不自然な程に折り曲がり、硬直していく。
支えを求めるかのように
麻衣は
藤堂に抱き付いた。
その際、力の入り過ぎた爪が背中に食い込む。
(——ッ!!)
痛みは感じたが、表情にも態度にも出さない。
それを受け止めるのもまた、
藤堂の仕事だからだ。
「あッ!あッ!あッ!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああッ!!」
ビクンと背中を大きく反らし、
「——アッ......クゥンッ——————」
麻衣は糸の切れたマリオネットのようにベッドに横たわった。
そこまで見届けた
藤堂は、陰核から指を離し、また緩やかな円運動に切り替える。
「あっはぁ......はぁっ.......はぁっ......あぅ、うぅぅぅぅん......」
藤堂に抱き付いたまま、焦点の合わない目で天井を見つめている。
息が詰まる程激しくイッた為、しばらくは降りてこれないだろう。
しかし、イッたからといって、ハイサヨナラという訳にもいかなかった。
麻衣がSEXに悦びを見い出すのは”ここから”だからだ。
多少面倒ではあっても、しばらくは付き添う必要があった。
「............
藤堂......さん......?」
「............ここにいます」
荒い呼吸を繰り返す
麻衣を、
藤堂は同じ様に強く抱き締め返す。
安心した
麻衣の顔が、フッと柔らかいものに変わった。
あまり強く依存させるのも、調教の都合上よろしくないが、
今日だけなら構わないだろう。
必要最低限の信頼関係は構築しておいた方がいい。
(恋人同士なら、ここで名前でも呼んで『愛してる』と言えばいいのだろうが......)
二人の関係はそんな甘ったるいものではない。
藤堂が
麻衣を見詰める目は、やはり冷ややかなものだった。
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